地方自治資料BOOKSガイド 2004年度-II

このガイドは「月刊地方自治職員研修」の″BOOKS″欄で、2004年7月号から10月号にかけて紹介された新刊書から選んだ資料を収録したものです。

資料は次のように内容区分し、書名の五十音順に配列しています。大分県立図書館で所蔵している資料には、該当欄に請求記号を付記しました。書名の前の☆印が所蔵、★印が未所蔵です。また、新語、カタカナ語には、参考のため「現代用語の基礎知識2004」の解説を載せています。

最終ページでは、地方行政に役立つホームページをいくつかご紹介しています。どうぞご活用ください。

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地方自治

☆雨を生かす ためることから始める 辰濃和男、村瀬誠共著岩波書店2004 517/2004

井戸水や川の水より雨水の方が美味しいし、安全といわれると俄には信じがたい。しかし、水道水も元を辿れば雨。大気汚染のない国では、伝染病や砒素汚染の川・井戸より安全だという。本書では、「雨水市民の会」で長年取り組んできた著者らが、世界・日本での雨水利用の知恵と工夫を紹介している。

★基礎からわかる自治体の財政分析 地域経営の視点から財政シミュレーションまで 出井信夫著 学陽書房 2004 未所蔵

自治体財政を基礎から学べるテキスト。自治体財政の仕組みを丁寧に説明した基礎編と、財政を分析するためのチェックポイントを掲載した実践編、財政分析をした上でいかに経営計画を立てるかという応用編からなる。

★交渉する自治体職員 自治体現場の政策法務杉山富昭著 信山社出版 2004 未所蔵

分権時代にふさわしい、ローカル・ルールに基づく自治体経営の実現には、「交渉する自治体職員」でなければならないと本書は主張する。交渉は、土地買収交渉だけではなく、対住民なら窓口でのやりとり、住民説明会、訴訟まで様々であり、国や県などとの交渉、予算や組織改革をめぐる自治体内部での交渉もある。

★これだけは知っておきたい自治立法の基礎 東京都市町村職員研修所編加藤 良重著 公人の友社 2004 未所蔵

地方分権で必要性が叫ばれるようになった自治体職員の政策法務能力。特に、条例の立案能力をどのように高めていくか。法令用語の理解や条文の効力・形式をはじめとする法的な知識・技術と、国・地方自治体間の関係についての分権的理解・自治体としての戦略や政策についての知識といった政策的思考の獲得が必須である。

☆採点!47都道府県政 樺嶋秀吉著平凡社2004 318.2/2004

全都道府県の財政健全度や情報公開度、説明責任や改革実現度などの指標を掲載、順位付けした一冊。ユニークな点は、分権改革後、顕著となった県政における知事のリーダーシップの重要性に目を向けたことである。知事の選出過程が、その後の 県政運営に影響を及ぼすとして、その分析に力を入れている。

☆自治体における企画と調整 事業部局と政策分野別基本計画 打越綾子著 日本評論社2004 318.2/2004

本書は、自治体における政策分野別基本計画とは何か、そしてどのようなプロセスで決定され、どのように位置付けられるものなのか、全国的な動向とともに、川崎 市をケーススタディとして、環境基本計画、地域防災計画、高齢者保健福祉計画な どの策定・改定プロセスを詳細に分析した労作。

☆事実の都市五十嵐敬喜、美しい都市をつくる研究会共著法政大学出版局 2004 318.7/2004

田中内閣以来、公共事業を地方を中心に展開しながら、日本は東京と、各地に点在しているミニ東京とにヒト・モノ・カネが集中する構造をとってきた。そのようにある一点を目指して政策展開してきた日本の都市は、それでは発展しているのか、 荒廃しているのか。

★自治体法務の最前線 現場からはじめる分権自治 提中富和著イマジン出版 2004未所蔵

分権一括法が施行されたが、現場は変わらないと言われる。それは、自治体、そして職員が変えようとしないからではないか、と本書は問題提起する。職員の努力では、解決しない課題も多いが、あるべき姿を見据えた上で、日々の職務に取り組まなければ分権は現場の現実とならないことを本書でぜひ学んで欲しい。

★自治のかたち、法務のすがた 政策法務の構造と考え方 天野巡一著 公人の友社 2004 未所蔵

政策法務の位置づけと、そのために必要な知識と考え方を語った政策法務入門者向けテキスト。どう自治解釈、自治立法していくか、どのような法の見方が必要となるのかといった基本から、判例・文献・国基準による解釈をどう考えるか、どの法令を選択すべきかなどわかりやすく語られている。

★市民参加条例をつくろう 高橋秀行著 公人社 2004 未所蔵

自治基本条例と市民参加条例、市民協働条例はどう違うのか。多くの市民、職員が悩んだり、誤解したりしている。本書では各条例の定義づけ、「市民」と「住民」の違いなどの問題を整理した上で、市民参加条例をつくるならこれだけはクリアしたいという参加対象と参加方式を対照させるマッチング・ルールの規定を提案する。

☆市民政治再考 高畠通敏著 岩波書店2004 312.1/2004

六十年代から市民の動きと関わり続けてきた著者が、マニフェストから改憲といった現代政治の主要マター批判、そしてアテナイのデモクラティアから日本の生活者ネットワーク等の民主主義の諸様相まで、幅広く、明快に語った講演録。

★市民立憲への憲法思考 改憲・護憲の壁をこえて 松下圭一著 生活社 2004 未所蔵

九条論議を中心に、改憲の動きが現実化し、対抗すべく護憲派は憲法堅持を主張する。そうした五十年代の構図が続く状況を著者は憂い、『市民自治の憲法理論』等で提起してきた、市民自治の観点からの憲法の捉え直しを、今日的によりやさしく解説する。

★多治見市の総合計画に基づく政策実行 首長の政策の進め方 西寺雅也著公人の友社 2004 未所蔵

著者の西寺・多治見市長は、'03年の選挙でマニフェストを示して当選、その実践に基づいたマニフェストと自治体行政運営のあり方を提起する。マニフェストが「絵空事といわれる選挙公約」とは異なり、具体化されるものとして位置づけられ、総合計画も実行計画シートと予算編成と連動し、リアリティのあるものである。

☆ダム撤去への道川に自由を。未来の子どもたちに“緑のダム”を手渡そう。天野礼子、五十嵐敬喜共著 東京書籍 2004 517.7/2004

これまでの日本の河川行政は、全く風土の異なる欧米を倣って、川の直線化、多目的ダム建設に夢中となり、さりながらその結果に真正面から向き合うことがない。いまやダムによる自然破壊は疑いようもなく、先達である欧米も過去の過ちを認め「ダム撤去」の時代に入っている。

★地域ガバナンスの時代 新たな自治の創造へ自治創造コンソ−シアム編 公人社2004 未所蔵

市町村合併の波、台頭する住民ベースの地域パワーで、自治体、そして自治のかたちはどのように変わっていくのか。森田東大教授らのコーディネートで、ニセコ町長、我孫子市長、埼玉県知事、神奈川県知事らが、市町村合併の是非・功罪、三位 一体改革、NPOをはじめとする市民組織、道州制などを熱く語る。

☆地方は変われるかポスト市町村合併 佐々木信夫著筑摩書房 2004 318/2004

市町村合併の後、各自治体はどのような戦略を採るべきか。来るべきポスト合併時代に備えて、人事政策、政策・特区の活用、議会のあり方、自治基本条例の制定など、本書は様々な戦略を提案する。

☆分権化と地方財政 池上岳彦著 岩波書店 2004 349.3/2004

グローバル化、市場化、少子・高齢化から先進各国で分権化が進められているが、その傾向は二つの潮流にまとめられる。「新自由主義的分権」と「分権的福祉政府」であるが、本書では後者を目指すべきとする。各国の地方税財政制度を比較しながら、単なる地方財政縮小を目指すかのような今般の改革に抗した制度構築を目指す。

★米国における地域経営の新展開業績測定による成長管理 吉川富夫著 公人社 2004未所蔵

我が国においても、現在の社会経済状況では、成長・開発志向で自治体計画は立てられないことがようやく意識化されてきた。本書は、米国における、環境破壊やスプロールの防止と開発を両立させる都市計画の概念である成長管理、それから発展した、賢い成長とでもいうべきスマートグロウスの理論と実際を紹介する。

〈注〉スプロール…都市が不規則に虫食い状態で郊外へと拡大していくこと。

★法令起案マニュアル大島稔彦著ぎょうせい2004未所蔵

地域課題解決に向けて自治立法権を駆使する。いまや職員や議員、そして市民にとっても、課題の把握・着想から条文化にいたる条例づくりのスキルは必須のものとなってきている。こうした立法技術を知るための実践マニュアルとして有用なのが本書である。

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まちづくり・地域振興

☆産業遺産とまちづくり 矢作弘著 学芸出版社 2004 602.1/2004

「忘れられた文化資本」である近代産業遺産を地域資源として見直し、いまという時代に甦らせる挑戦が各地で始まっている。歴史的都市景観の視点から産業遺産を文化資源として保存するだけでなく、一つの産業資源として他用途に転用しながら、 いまに活かす試みが紹介される。

★大学と地域のまちづくり宣言 岐阜経済大学マイスタ−倶楽部の挑戦 鈴木誠著 自治体研究社2004 未所蔵

大垣駅前の空き店舗から始まった岐阜経済大鈴木ゼミの活動記録。補助金が切れるまで半年間限定の研究活動のつもり、地元からは「誘客装置」としか見られていなかった活動が、「夢マップ」や「学割の店」の仕組みづくりを経て、地域の大人・ 子どもを巻き込み活動領域を広げていく。

☆「都市再生」がまちをこわす現場からの検証 建設政策研究所編 自治体研究社 2004518.8/2004

「都市再生」のビジョンは誰によって、何を目指して描かれたのか。都市再生政策 が生み出された過程と、その実際例を検証することによって、都市再生が、都市と 人々にもたらすものを明白にする。

★人間都市クリチバ 環境・交通・福祉・土地利用を統合したまちづくり服部圭郎著学芸出版社 2004未所蔵

都市計画に失敗したブラジルの都市ブラジリアに対し、クリチバはヒューマンスケールのまちづくりを成功させた希有な都市である。一地方都市であるクリチバが、先進都市でも解決できなかった都市問題や環境問題を都市計画という手法で解決できたのはなぜか。

★北海道の宿題 北海道は“試される大地”なんかぢゃない和野内崇弘著海豹舎 2004未所蔵

知事や市町村長、有権者、産業分野別の宿題が盛り込まれ、各々の課題に各々が取り組むため、またどのような課題が与えられているかを他の者が知っておくための一冊。観光についての内容が多いが、農業や教育に関する提言など、他県にも参考になる事柄が多い。

★町屋と人形さまの町おこし 地域活性化成功の秘訣 吉川美貴著 学芸出版社 2004 未所蔵

四十年前の計画のままにわがまちが破壊されようとしている―。それまで地域に関する活動をするどころか、さして愛着を感じてはいなかった一人の若者が、人との出会いに感銘し、、各地を回ってヒントを得て「町屋の人形巡り」という仕掛けをつくり、村上のまちづくりの芽を生み出す。

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★学としての公法 手島孝著 有斐閣 2004 未所蔵

本書はまず、「学とは何か」を問うことから始める。学の中で法学がどのように位置づけられるのか。細分化され続けてきた法に、いかにして総合性を回復するかを問うていく。憲法・行政法をはじめとした公法全般を、新しい枠組みでわかりやす く解き明かす、公法入門書。

★ケースメソッド公法 市川正人[ほか]編著 日本評論社2004 未所蔵

本書は、憲法学と行政法学の共働作業により、国や自治体と個人との間の紛争を具体的に取り上げ、その解決枠組みである公法のあり方を探る。談合監査請求、内申書開示請求、パチンコ店建設など二十余の事例を通じて、法原理が具体的にどのような意味を持つか、法制度や行政による規制・運用基準は妥当かを考える。

☆産廃法談 法学者のウラ読み廃棄物処理法北村喜宣[ほか]著 環境新聞社 2004 519.7/2004

廃棄物処理法をはじめ、水道水源保護条例等の条例など、廃棄物を巡る法解釈、実 際の事件に即しての法的課題などを鋭く指摘し、問題を投げかけるとともに、ユーモラスな語り口で、法・条例の理解を促すリレーエッセイ。

★実定行政計画法 プランニングと法 西谷剛著 有斐閣2003 未所蔵

都市計画法といった名称に計画とあるものだけでなく、行政計画を定めた法は314、法定計画は586あるという。それらの多くは、自治体とも深い関わりを持つ。本書は、行政手続や情報公開などが問われ、計画への参加がテーマ化されている今日における行政計画と法との関係が論究されている。

☆政府債務の世紀国家・地方債務の全貌桜井良治著新評論2004 342.1/2004

一般会計、特別会計、財政投融資、地方財政支援による財政赤字に潜む、いわゆる 隠れた債務の問題にも目を向けてその実態を解明し、アダム・スミスの応益原則に 基づいて財政のあり方と今後の債務削減策について解説している。

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その他

★自己決定権は幻想である 小松美彦著 洋泉社2004

人が生活する上で絶えず行っている「自己決定」と、それを社会が個人の権利として認める「自己決定権」。自己決定による行動は常に周りへ何らかの影響を与える関係性の上に立つものながら、それが普遍化・抽象化された自己決定権と呼ばれた途端に、個別・具体的な事情からかけ離れた国家共同体の同質性の世界に人を押し込めるとする。

★「話し方」講義の実況中継 話し方研究所著桜井弘編著 イ−スト・プレス 2004未所蔵

会社員や行政職員を対象に「話し方」研修を行っている著者らが、紙上レクチャーという形で、話し方の基礎から応用までを解説する。話とは(1)相手と良い人間関係をつくる、(2)相手に知らせる、わからせる、(3)相手を動かす、(4)相手の心を動かす―ためのものだが、その目的を達するためにどう話し、聞くべきか。

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ホームページ紹介

地方議会EXPLORER

各地の議会議事録を検索できるリンク集。リアルタイムで中継する議会もある。

全国条例データベース鹿児島大学法文学部法政策学科

全国の1,000を超える自治体が公表する2万弱の条例を掲載。

法令データ提供システム総務省

法令(憲法・法律・政令・勅令・府令・省令・規則)の内容を検索できる。

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平成8年6月3日以降の官報の目次が検索ができる。

インターネット版官報

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京都大学大学院法学研究科附属国際法政文献資料センター

政治・法律について調べるのに便利なリンク集。日本の法律文献・政府行政文書の調べ方や外国の法律・政治行政の資料の調べ方・文書の入手方法などが閲覧できる。

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