地方自治資料BOOKSガイド 2005年度-III

このガイドは、雑誌「月刊地方自治職員研修」の″BOOKS″欄で、2005年7月号から2005年10月号にかけて紹介された新刊書を選択的に収録したものです。

資料は次のように内容区分し、書名の五十音順に配列しています。書名に付した☆印は大分県立図書館所蔵、★印は未所蔵です。所蔵している資料には、該当欄に請求記号を付記しています。

最終ページでは、地方行政に役立つホームページをいくつかご紹介しています。どうぞご活用ください。

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地方自治

★新しい地方自治制度の設計 「規模の利益」か「小さい自治の連合」か 加茂利男著自治体研究社2005未所蔵

市町村合併の荒波が過ぎ去ろうとしているが、いまこそ地方自治の新たな制度設計が必要とされる。著者は「平成の大合併」の遺した傷痕を整理しつつ、「小さくても輝く自治体」など合併があって生まれてきた自治の萌芽を見つめ、21世紀の地方自治の多様な可能性を探っていく。

☆検証「三位一体の改革」自治体から問う地方財政改革 平岡和久、森裕之共著 自治体研究社2005349.3/2005

『Q&A地方財政構造改革とは何か』(当館で所蔵しています 349/2003)の続編となるもので、今作は、より自治体の実態・現場に即したものとして意図されている。三位一体改革とは本来、何を目指しているのか。一方で、いま「三位一体改革」はどのようなものになっているか。

☆個人情報保護法ここがポイント!あなたの仕事の流れで理解する小川登美夫/編・著 日本経済新聞社2005316.1/2005

世論の高まりに呼応して、個人情報に関わる法律が相次いで制定・施行されている。その流れの中で、あるいは読者の属する自治体でも、個人情報保護条例の制定・改 正が急がれているのではないだろうか。本書では、法の背景・理念・内容が具体的 なケースを提示しながらわかりやすく解説されている。

★三位一体改革の検証 高木健二著公人社 2005未所蔵

三位一体改革は地方が上げた声によって、国の思惑による矮小化を逃れ、具体化の見通しがでてきた。著者は、改革の目的・必要性に立ち戻って、ようやく見えてきた三位一体改革の実現の展望を明らかにする。自治体・市民が絶えず改革の進捗と方向性についてチェックしていくべきとしている。

★自治基本条例の理論と方法 神原勝著 公人の友社 2005 未所蔵

自治・分権時代にあって、自治体運営のための理念と、実現するための具体的な仕組み、そしてその作動の原則を定めた自治基本条例が、自治体レベルの基本法として想定されるようになる。筆者は今日の、例えば本書に収載されている自治基本条例神原試案に至るまで、その理念、内容の変遷等を明らかにする。

★市町村崩壊 破壊と再生のシナリオ穂坂邦夫著 スパイス 2005 未所蔵

在任中、新たな自治の視点から次々と改革手法を編み出し実行・提言して、全国に名を馳せた前志木市長の手による一冊。近未来予想図という形で、今日、自治体の直面する危機的状況をあぶり出し、行政・議会・市民の当事者意識の欠如が招く事態の深刻さを訴える。

★市民会議と地域創造 市民が変わり行政が変わると地域も変わる!佐藤徹著 ぎょうせい2005未所蔵

今日、政策決定において参加は欠かせないものとなっており、とりわけ市町村において「市民会議」の手法が取られることが多くなっている。本書は、これまでの代表的な、先進自治体での市民会議の取り組みについて解説を加え、市民会議を類型 化。市民会議のデザインとして方法論を明らかにしている。

☆市民のための地方自治入門改訂版行政主導型から住民参加型へ 今川晃、馬場健共編実務教育出版2005318/2005

市民が自らの生活実感に基づいて社会の問題に取り組む場面が増え、また、行政の 制度やシステムも変容しつつある現状が踏まえられている。地方自治制度の歴史。 オンブズマン制度やNPOの活躍等住民側の変化。議会のあり方、自治体の財政の状況や自治体職員のあり方等行政側の変化等が詳述されている。

★図説地方財政データブック平成17年度版 出井信夫、参議院総務委員会調査室共編学陽書房 2005 未所蔵

地方制度調査会の資料を用いて道州制に関する論点をまとめ、税制調査会資料から個人住民税所得割の計算方式を解説する。本書はこのように国の省庁や各種団体等 の資料、研究者が発表したデータ・図表等を用い、地方財政を解説する。

★政策公共圏と負担の社会学 ごみ処理・債務・新幹線建設を素材として 湯浅陽一著新評論2005未所蔵

負担の分配をめぐるごみ処理、新幹線整備、国鉄債務の問題。利得の分配に比べ、 より緻密な原則が必要とされる負担の分配には、国・自治体とそれに対する市民が討議を積み重ねる空間「政策公共圏」が必要となる。また、議論に参加する者は、単に所属集団の利益を合理的に追求するだけでなく、他者が合意可能な道理的思考が求められる。

☆政務調査費その使用実態と問題点宮沢昭夫著公人の友社 2005 318.4/2005

2001年の地方自治法改正により、大きく可能性の開けた政務調査費。しかし、使用内容を公開すると議会の自律権がおかされるなどとして、未だ多くの県、全て の政令指定都市で領収書類の公開が行われていない。政務調査費の使用実態からその問題点を抽出し、それにどう対応すべきか等を提言する。

★地域人材を育てる自治体研修改革土山希美枝著公人の友社2005 未所蔵

拡大していく一方の公共政策課題を、それに直面する市民・自治体が解決する。そ うした「自治・分権」を担う地域人材をどのように育てていくべきか。地域人材の 中でも特に厚い層をなし、その専門性・職業性に期待のかかる自治体職員を中心に、人材育成・能力開発をいかになすべきかが、本書のテーマである。

★地方自治の歴史と概念小滝敏之著 公人社 2005未所蔵

現代は国家間の相互依存が深まる中で、国家の存在感は次第に希薄化してきており、各国で地方・市民に力点がシフトしてきている。「国内史」と「対外関係」抜きに一国の歴史を理解できないのと同様に、地方自治でも時空を超えた二者間の「連鎖関係」によって初めて一国の地方自治制度、さらに地方自治概念そのものが明らかになってくるとする。

★ドキュメント・市民がつくったまちの憲法大和市自治基本条例ができるまで 大和市企画部編著ぎょうせい2005 未所蔵

自治基本条例がいわばブームとなる中でその名に相応しくない条例も散見されるようだ。しかし今春施行された大和市の条例は違う。その策定から公布までを綴った本書では、この条例が大和市のこれまでの蓄積の上に立つこと、またその上に何を 積み上げたかがわかる。

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まちづくり・地域振興

☆観光カリスマ 地域活性化の知恵日本観光協会編学芸出版社2005 689.4/2005

地域の再生を観光にかけている自治体は多い。しかし、その全てが成功しているわけではないようだ。観光振興によって地域を活性化させ、観光まちづくりを推進している観光カリスマ。全国で100人選定された観光カリスマは、ホテル社長、そば屋、農業経営者、行政マン等。そのうち、18人のカリスマが自らの体験を語る。

★地方自治体をめぐる市民意識の動態小林良彰編慶応義塾大学出版会 2005未所蔵

市民意識をテーマにNPO・ボランティア、ワーカーズコレクティブなどのソーシャルキャピタル、情報公開、高齢者福祉等を市民がいかに捉えているかを論述する。住民の働きかけに対する地方政府の反応が政治参加意識に影響を及ぼす等、政府と その環境がデモクラシーの促進と減退に関わることが述べられる。

☆農ある暮らしで地域再生アグリ・ルネッサンス 山本雅之著 学芸出版社 2005 611.1/2005

地価下落とデフレで都市のこれからが不安視される一方、農産物価格の下落と農業従事者の減少・高齢化で農村は存続自体が危ぶまれてさえいる。そんな都市と農村をめぐる状況を一変させるのが「アグリ・ルネッサンス」。それは、都市と農村を結びつけ、新しい価値観とライフスタイルを創造して、地域経済を活性化させる。

☆まちづくりオーラル・ヒストリー「役に立つ過去」を活かし、「懐かしい未来」 を描く後藤春彦[ほか]著水曜社2005318.6/2005

個人の記録には地域の資源が眠っている。本書は市井の個人に対して聞き書き調査を行い、集積し、編纂することで、時々の「時代の気分」を記した口述記録を作成することを提唱している。束ねられたそれらの記録は、まち自体が持つ一種の「遺伝子」を示す。

★まちづくり条例の設計思想 国分寺条例にみる分権まちづくりのメッセ−ジ松本昭著第一法規出版2005 未所蔵

都市計画法改正、景観法制定など自治体の都市計画の幅も広がったが、そのベースとなるまちづくり条例をどう定めるかは大きな課題である。どのような規制・手続にし、市民がどう関わるかなど、政策法務の力・工夫はもちろん、市民参加で広い合意を得て制定するという、いわば自治体の分権力が問われることになる。

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ごみ行政

☆産廃判例を読む 北村喜宣編環境新聞社2005 519.7/2005

自治体にとって大きな課題である産業廃棄物処理問題は紛争化することも多く、それに伴って注目すべき判決・決定が数多くなされている。それらは個々の紛争処理とは別に、現行法制度の限界を指摘し、事業のあり方に対して教訓を与えるものであったり、将来の法改正の方向を示唆するものであったりとその意義は多彩である。

☆狙われた自治体 ごみ行政の闇に消えた命 下野新聞「鹿沼事件」取材班著 岩波書店 2005 326.2/2005

2001年、鹿沼市のごみ処理施設の施設長が誘拐、殺害された。この職員は廃棄物の不正持ち込みに対する審査を厳正に行うように努めていた。事件の首謀者は、廃棄物業者。職員が着任するまで不正持ち込みは黙認されていた。後を追うように、前任者の幹部職員が庁内で自殺。

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中央行政

★新・行財政構造改革工程表 「霞が関」の三位一体改革 行財政構造改革フォーラム著ぎょうせい2005未所蔵

これまでの行政改革を振り返って分析するとともに、先進諸外国の成功事例を検証したうえで、(1)予算編成プロセスの改革(2)評価制度の強化を中心とした執行管理の改革(3)公会計制度の本格的な整備による決算報告の改革の三つを一体的に進める霞が関の三位一体改革の必要性を提起している。

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その他

★NPMの検証−日本とヨーロッパ岡田章宏、自治体問題研究所共編 自治体研究社2005未所蔵

民間企業の経営理念を行政に導入し、行政の経済性や効率性を確保するとして語られるNPMについて、その手法の導入を支持する声は聞かれるものの、あり方を相対化する視点は乏しい。本書はNPMの現状を検証し、本来議論されるべき地方自 治の視点が抜けていることや、NPMと自治体が担保すべき公共性の内実を明らかにすべきと指摘する。

★介護保険と21世紀型地域福祉地方から築く介護の経済学山田誠編著 ミネルヴァ書房2005 未所蔵

保険財政維持のための給付抑制へと進んだ介護保険。制度維持のためには野放図な 給付は許されないが、サービス受け手の「生活の質」保持というニーズ充足のため には、公費による社会保障と、それを補完するサービス供給の仕組みが必要となる

☆カーニヴァル化する社会鈴木謙介著講談社2005304/2005

就労問題、監視社会問題、ネット・ケータイコミュニケーションの問題を架橋しながら、現代社会がいかなる原理によって作動しているかを解き明かす。目指すべき理念・目標を持たぬ現代において、人はデータベースとの相互審問の中で自己が欲 望すべき対象を見つけ、瞬発的な盛り上がり「祝祭」を繰り返す。

☆子どもが減って何が悪いか!赤川学著 筑摩書房 2004 334.3/2004

男女参画社会が実現すれば、少子化が改善されるという定説。その根拠となるのは統計データ。筆者はその妥当性を検討しながら、そんな定説を「トンデモ少子化言説」と切る。統計解釈には、恣意性が混在する。筆者は男女参画社会の実現と少子化対策は別の文脈で語られるべきとし、少子化対策自体の是非を問う。

☆となり町戦争三崎亜記著 集英社 2005913.6/ミサ

効率化の必要が叫ばれる中、隣の行政区との戦争で合併を勝ち取る自治体が出現。近くで戦闘が起こっているはずなのに日常は何も変わらない。主人公の「僕」の視点からは見えない戦争の不気味さが。ただ粛々と戦争「業務」を遂行する役場の女性職員を通しては、そのやるせなさが描かれるSF小説。

☆日本はなぜ諍いの多い国になったのか 「マナー神経症」の時代森真一著 中央公論新社2005361.4/2005

マナー悪化を憂う声がよく聞かれる。悪化の是非とそれが問われる理由を検証する本書は、メディアで取り上げられる迷惑行為等は「お客様」意識を持った人が行っていると指摘する。欲望が「神聖」なものとして取り扱われる現代において、それが充足されぬ人々は「買う」ことによってそれを満たす。

★働く女性のメンタルヘルスがとことんわかる本 鈴木安名著あけび書房 2005未所蔵

少ない女性管理職、男性優位の職場、家事・育児のストレス。女性をめぐる労働環境は厳しく、「眠れない夜」を過ごす人も多いだろう。そんな人の「健康でよい仕事をしたい」という願いを叶えるべく執筆された本書は、予防の観点に比重を置い たメンタルヘルスの概説書。

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地方議会EXPLORER

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全国条例データベース鹿児島大学法文学部法政策学科

全国の1,000を超える自治体が公表する2万弱の条例を掲載。

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国会会議録検索システム国立国会図書館

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