牧 義之/著 -- 森話社 -- 2014.12 -- 023.8

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所蔵館 所蔵場所 請求記号 資料番号 資料区分 帯出区分 状態
一般 一般資料室 023.8/2014/ 00013778113 和書 帯出可 在庫 iLisvirtual

資料詳細

タイトル 伏字の文化史 ,
書名ヨミ フセジ ノ ブンカシ
副書名 検閲・文学・出版
著者 牧 義之 /著  
著者名ヨミ マキ,ヨシユキ
出版者 森話社
出版年 2014.12
ページ数, 大きさ 443p, 22cm
NDC10版 023.8
NDC8版 023.8
一般件名 検閲-歴史 , 出版-日本 , 日本文学-歴史-近代
ISBN 978-4-86405-073-9 国立国会図書館 カーリル GoogleBooks WebcatPlus
著者紹介 1983年生まれ。愛知県出身。名古屋大学大学院文学研究科博士課程後期課程単位取得満期退学。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員PD、岐阜聖徳学園大学経済情報学部非常勤講師。
内容紹介 言論統制下の戦前から戦中にかけて、活字メディアを埋めつくした<伏字>の数々。検閲をかい潜り作品を世に出すための編集者・著者らの苦闘の痕跡ともいえる<伏字>の実態を、広汎な一次資料から明らかにする。

目次

序章 伏字に出会う
  一 街頭の伏字
  二 本書の目的と意義
  三 検閲制度に関する先行研究
  四 各章の概要
Ⅰ 伏字はなぜ施されたのか-内閲という措置
第一章 伏字の存在意義に関する基礎的考察
  一 伏字に関する先行文献と、本章の意義について
  二 伏字の様々な形態
  三 違和感を喚起する記号
  四 伏字の文化記号的側面
第二章 法外便宜的措置としての内閲1
  一 戦前・戦中期における出版法規概観
  二 内閲の運用開始時期
  三 内閲の関連資料と様々な事例
第三章 法外便宜的措置としての内閲2
  一 はじめに
  二 朔太郎の曖昧な記述
  三 正式な処分とは異なる「内達」
  四 正式な発行日・二十八日
  五 『月に吠える』刊行に至るまでの流れ
  六 乙部図書に編入された文芸書
第四章 法外便宜的措置としての内閲3
  一 内閲の機能停止と廃止の発端
  二 分割還付の試験的運用と禁止箇所の明示
  三 廃止後に行われた内閲
  四 内閲復活の希望と検閲制度反対運動
  五 内閲と伏字との関連性
第五章 作家の検閲制度意識
  一 検閲研究における荷風の位置付け
  二 検閲制度に対する荷風の姿勢
  三 視点としての「国家と芸術」
  四 「祝盃」の伏字
  五 傍観する立場
  六 『つゆのあとさき』の伏字とその基準
  七 『つゆのあとさき』本文の分析
  八 作家は伏字をどう見てきたか
Ⅱ 伏字が引き起こす問題
第六章 森田草平『輪廻』の伏字表記
  一 『輪廻』を考察する意義について
  二 作品の梗概
  三 新潮社版単行本発行に至るまでの事情
  四 三種類の新潮社版本文
  五 新潮社版単行本以降の本文
  六 差別用語の伏字
  七 水平運動関係者からの反応
  八 差別用語の伏字/未伏字
  九 糾弾事件と文壇
第七章 削られた作品の受容と変遷
  一 『改造』の「鉛版削りとり」
  二 再編成された本文
  三 初出『改造』における鉛版削除形態の差異
  四 鉛版削除が引き起こす問題
  五 伏字、削除が意味するもの
  六 伏字を解読する行為、書き込み
  七 伏字が持つ時代性
第八章 誌面削除が生んだテキスト・ヴァリアント
  一 戦時下における言論弾圧の一例
  二 『中央公論』の禁止処分、削除をめぐる言説
  三 公判記録に表れた禁止処分の根拠
  四 鉛版削除の実証調査獅
  五 『中央公論』への内閲
Ⅲ 検閲制度をめぐる攻防
第九章 発売頒布禁止処分と「改訂版」
  一 戦前・戦中期の検閲に関する官憲資料
  二 ラディゲ『肉体の悪魔』の発売頒布禁止
  三 黒島伝治『武装せる市街』の発売頒布禁止
  四 発売頒布禁止への対応策
第十章 狂演のテーブル
  一 脚本検閲を考察する意義
  二 脚本検閲の変遷と、作家との交渉
  三 検閲官Tの立場、二者の議論点
  四 「勧善懲悪」の時代性
  五 役人としての立場
  六 谷崎の脚本検閲批判
  七 検閲官の本音
  八 「笑の大学」が描いたもの
終章 伏字の戦後
  一 戦後の検閲と伏字の禁止
  二 読まれる禁止図書、編集者・検閲官という職業
  三 文化紀号としての伏字