岩崎 信彦/著 -- 御茶の水書房 -- 2015.7 -- 331.6

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一般 一般資料室 331.6/2015/ 00014027528 和書 帯出可 在庫 iLisvirtual

資料詳細

タイトル 21世紀の『資本論』 ,
書名ヨミ ニジュウイッセイキ ノ シホンロン
副書名 マルクスは甦る
著者 岩崎 信彦 /著  
著者名ヨミ イワサキ,ノブヒコ
出版者 御茶の水書房
出版年 2015.7
ページ数, 大きさ 13,337,3p, 22cm
NDC10版 331.6
NDC8版 331.6
一般件名 資本論
ISBN 978-4-275-02018-5 国立国会図書館 カーリル GoogleBooks WebcatPlus
著者紹介 1944年福岡県生まれ。京都大学文学研究科社会学専攻博士課程修了。神戸大学名誉教授。共編著に「町内会の研究」、共著に「「貨幣の哲学」という作品」など。
内容紹介 21世紀の未来社会を「低エントロピー生産力」「ネーション」にねざす「個人的所有」として見通し、見失われてきた「資本論」の<真髄>を解き明かす。

目次

準備考察1 資本のリターンは格差を増大させる
準備考察2 『資本論』にはいくつか問題点がある
第1部 貨幣はいかにして資本に転化するか
Ⅰ 「交換価値」論として読む「価値形態」論
  1 「商品」とは何か-使用価値、交換価値、価値をどのように規定するか
  2 「価値形態論は難解だ」(マルクス)
  3 「価値形態」論のわかりやすい説明-「人間語」を使って
  4 「価値形態」論におけるマルクスの論理-「排除」の論理
  5 「貨幣としての貨幣」(形態ⅤならびにⅥ)へのさらなる前進-「形態的便用価値」という論理
  6 「価値=抽象的人間労働」をどのように位置づけるか
Ⅱ 「欲望」と「相互的略奪の関係」としての価値形態論
  1 「欲望」が価値を生む
  2 「相互的略奪の関係」が貨幣を生む
Ⅲ 「一般的定式」が「矛盾する」という不可解
  1 意味深長に始まる「資本の一般的定式」
  2 「資本の一般的定式」が「矛盾」してよいのか
Ⅳ 「支払手段」としての貨幣の力
  1 「流通手段」としての貨幣の「瞬過的」性格-鋳造貨幣と国家紙幣
  2 「貨幣の資本への転化」の本質的なモメント(1)-貨幣の「蓄蔵」と「買いのない売り」
  3 「貨幣の資本への転化」の本質的なモメント(2)-「支払手段」がもつ債務決済力
  4 「利子生み資本」に体現される資本の本性
  5 「支払手段」の社会的展開としての銀行券-信用貨幣の創造
  6 「そも資本なるものdas Capital」と「対向価値Gegenwerth」
Ⅴ 商人と商業の世界
  1 商人資本の歴史論-「詐取」と「略奪」
  2 「商業資本は剰余価値を生まない」という不思議
  3 <経営才覚>と<商業生産>による<商業価値>の創造
中間考察1 貨幣の「暴力性」と「生の債務」
中間考察2 利子が許される五つの条件
第2部 産業資本と賃労働の世界
Ⅵ 「労働力」という商品の独特な性格
  1 産業資本の定式G-W-P-W′-G′-「対向価値」としての<工業価値>
  2 「労働力商品」という独特な商品
  3 「抽象的に人間的である」ということの深い歴史意識-abstraktの副詞的用法の意味
Ⅶ 労働者はどのように搾取されるか
  1 労働過程と価値増殖過程という二重性の理解
  2 「支払労働時間」と「不払労働時間」は区分できるのか
  3 <労苦労働>から<痛苦労働>へ-刻一刻と搾取される労働者
Ⅷ 原燃料、機械が価値を生まないという不可解
  1 不変資本と可変資本という区分は正しいか
  2 「死んだ価値」はどのようにして価値移転するのか
  3 自然原燃料は価値を生む-価値の内容は「エントロピーの増大」
  4 機械も価値を生む(1)-「特別剰余価値」を考える
  5 機械も価値を生む(2)-技術とエントロピー
  6 機械も価値を生む(3)-価値を生むのは機械全体なのか償却分なのか
  7 「相対的剰余価値」によって資本は生き延びられるか
Ⅸ 資本の拡大再生産と恐慌
  1 資本の単純再生産の表式が意味するもの
  2 資本の拡大再生産の表式が意味するもの-機械の「全体」を考慮しなければならない
  3 景気循環と恐慌
中間考察3 『資本論』の「難問」は氷解する
  1 「利潤率の傾向的低下の法則そのもの」は生じない
  2 「転化(転形)論争」はそもそも問題設定が誤り
  3 地代はどこからくるのか-<そも土地所有なるもの>の形態の力
第3部 金融資本、階級ならびに国家
Ⅹ 金融資本が資本主義を制圧する
  1 余剰な貨幣資本という「死重」が動きだす-「有価証券」という商品
  2 「思惑取引の破裂」と「信用制度の歪曲」-<投機資本主義(マネーゲーム)>が蔓延する
  3 「信用制度」がもたらす不信の世界-青年マルクスの直観的批判
ⅩⅠ 「階級」をどのようにとらえるか
  1 マルクスによる「階級」の規定
  2 資本の「人格化」としての資本家
  3 <痛苦>労働から<苦悩>労働へ-賃労働者が「資本の仮面」をつける
  4 下級労働者の賃金が削られて管理職労働者に上積みされる-賃金の「経営学的」な格差づけ
  5 「企業者利得」は経営者の「賃金」なのか-「所有と経営の分離」のなかで起きること
  6 ピケティの「スーパー経営者supermanagers」論-「不労所得生活者社会」から「経営者社会」へ、は正しいか?
  7 階級の二極分解と階級闘争
ⅩⅡ 国家と資本は有機的に結合している
  1 国家についての研究プランと「土台-上部構造」論
  2 国家の起源と「自然発生的」分業システムの統括
  3 国家と資本主義の初発からの結合
  4 <経済的国家>と「政治的国家」
  5 不断に再生産される植民地-<経済的国家>はそもそもからして拡張的である
中間考察4 ピケティは資本主義を救えるか
中間考察5 ネーションNationと国家Staat
第4部 未来社会への道
ⅩⅢ 資本主義的生産力の行き詰まり
  1 「生産力と生産関係の照応」としての資本主義
  2 「生産力と生産関係の矛盾」による資本主義の危機
  3 「自然力」を本質とするマルクスの「生産力」概念
  4 ポスト資本主義は「低エントロピー生産」を求めている
ⅩⅣ 社会主義ならびにコミュニズムの道
  1 <マイナス富>の世界である資本主義-資本は「狂った形態」にほかならない
  2 「必然の領域」から「自由の領域」へ
  3 社会主義とコミュニズム-その原理的理解
  4 「個人的所有」の再建-その歴史貫通的な性格
  5 「社会的所有」の実現とは-一つの重層的所有形態
  6 革命はどのように構想されるか-国家の利用と止揚
  7 人類史の発展過程-<五段階>歴史論
最終考察 新しい未来社会を構想する
  1 「資本の反革命」対「里山資本主義」
  2 使用価値の復権と「自由の領域」
  3 科学技術と地球生態系の保全
  4 地球と人類の未来をきりひらく運動